赤くなくてもいいじゃない
こんにちは、佐々木です。
このごろは寒い日も続き、冬を感じるようになりましたね。12月といえば、みなさん何を想像するでしょうか?聞くまでもなかったですね。ええ、その通りです、12月はりんごの季節です。「りんごが赤くなると、医者は青くなる」、「1日1個のりんごは医者いらず」といった諺があるくらいですから、健康に気を使われているみなさんなら毎朝1個りんごを食べておられることかと思います。今日はりんご園の息子である私が、りんごについて少しお話をさせていただきます。
最近、ニュースで「黄色いりんご」なんてフレーズを聞くようになりました。りんごといえば赤色でしょ?と思うかもしれませんが、実は赤くない種類のりんごもあるんです。ぶどうにも黄緑色のマスカットなんてものがあるんですから、そりゃ、りんごにも赤くない品種があっても不思議じゃないですよね。では、なぜ今、この黄色いりんごが注目されているのでしょうか?その話をするためには、まず、「りんごは赤い」というイメージを覆す必要があります。何を言っているんだ、と思うかもしれませんが、りんごって実は赤くなくて、正確に言うと、りんごは太陽の光が当たらないと赤くならないんです。青森県などでは、りんごを赤くするために、葉をむしったり、地面に反射シートをひいたりと、いろいろ工夫をしています。ところが、りんごが赤いかどうかというのは、品質には影響しないんです。逆に、葉をむしることで、栄養がいかなくなるぶん、むしろ味や品質を下げてしまうくらいなんです。りんごを赤くする作業というのは、見た目をよくするためだけで、労力的にも品質的にも、できることならしない方がいいんですよ。でも、「りんごは赤い」っていうイメージがあるから、赤くないと売れないというジレンマがあるんです。そこで、話が戻って、「黄色いりんご」です。赤くするのも大変というお話をしましたが、その点、黄色いりんごは、もともとそういう品種なので着色なんて関係ないですよね。つまり、着色を気にしなくていいぶん、労力がかからないんです。高齢化がすすんでいる世の中、いろんな所で省力化していきたいですよね。そこで、この黄色いりんごです。そんなこんなで、青森県をはじめ、いま「黄色いりんご」がPRされているんです。
ちなみに、富山県立大学があるこの富山県でも、りんごは栽培されていて、特徴として、青森県のような大規模に対して、小規模であることが挙げられます。そこで、同じ土俵で争っても勝ち目がないので、富山県では「見た目より品質」というりんご農家が多いんです。見た目を良くする「葉むしり」や「袋掛け」をあえてしないことで、味を追求しています。スーパーに流れている青森産りんごなんかと比べると、見た目は良くないかもしれませんが、富山県のりんごのほうが甘くておいしいとよく言われています。これからますます寒くなっていく豪雪地帯富山県ですが、雪だけじゃないよ、こんな美味しいりんごもあるんだよということを、知っていただければ幸いです。
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