今回は機械システム工学科、坂村芳孝先生の研究室、熱流体工学講座坂村研究室に伺いしました。

【らぼめぐり第三回:坂村研究室】
まず、記者の中に機械システム工学科の学生がいなかったので、坂村先生に「機械システム工学」について説明していただきました。

 

「機械システム工学」は、文明を支える機械と機械を含むシステムの設計、製造、運用を対象とする工学分野で、物体にはたらく力と物体の運動の関係を調べる力学を基盤とする学問体系なのだそうです。

 

それでは、坂村研究室についてご紹介していきたいと思います。

 

ところで、坂村先生の写真を掲載する予定だったのですが、不手際により撮影するのを忘れてしまいました。
今回特別に似顔絵での掲載を許可していただいたので、筆者の本気の画力で書いた坂村先生をお見せします。
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まず、ご専門は熱流体工学です。主に、航空宇宙工学と密接な関係にある、高速・高温流動現象に関する実験やコンピュータ・シミュレーションをなさっています。坂村先生は、飛行機やロケットが好きという人にとって非常に興味深い内容だとおっしゃっていました。

 

熱流体工学の研究対象の一例として、このようなモノを見せていただきました。
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これは、小型のスターリング・エンジン模型です。
保冷剤と大気の温度差に基いて移動する熱を利用してピストンを動かしています。
このスターリング・エンジンは、効率が高く、静音性に優れているので潜水艦でも利用されています。

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こちらは研究室の様子です。
皆さん非常に真剣な様子ですが、突然の来客を歓迎してくださいました。
現在、坂村研究室には学部4年生3人、大学院生が3人いらっしゃいます。
また、二枚目の写真に写っているのは部屋を共用している杉岡先生の研究室に属している学生さんです。

 

次は実験室へ案内してもらいました。
ここは坂村研究室で使われている実験室です。
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ここでは、流体現象の中でも坂村先生がもっとも注目している衝撃波についての実験をしています。
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このような筒を使い、400m/sで伝播する衝撃波を発生させて、物体に衝突させる実験などを行い、その様子を観測しています。
航空宇宙工学では衝撃波はありふれたもので、飛行中の主翼やジェットエンジン内で常に発生しているものだそうです。

 

これ以外にも様々な機材や研究についての話を紹介していただきました。

例えば、蛍光を用いて物体の表面温度を計測するという研究です。

特殊な蛍光塗料を表面に塗り、放射される蛍光の強度を測定することによって表面温度がわかるというものです。

赤外線カメラを使えばいいのではと思われるかもしれませんが、赤外線カメラは散乱している赤外線も拾ってしまうので高い精度を期待できないんだそうです。

一方、蛍光塗料から放射される可視光域の蛍光を使えば、精度良く温度を見積もることができるのだそうです。

 

最後に坂村先生から学生へ向けたアドバイスとして、「学年は関係なく、興味を持った研究室があったら是非行ってみてほしい」ということをおっしゃていました。

今回筆者らが学生を代表する形で坂村研究室を訪れましたが、ここでは書ききれなかった多くのこともお話していただきました。

是非とも、興味を持った方は研究室に直接訪れてお話を聴いてみてはいかがでしょうか。

 

それでは、お忙しい中取材、編集に協力してくださった坂村先生、本当にありがとうございました。